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外国人材活用マーケット分析 
ターゲットとするべきは東南アジア・南西アジア!

外国人材を獲得する際に、経済的メリットを考慮すると、どのような国や地域をターゲットとすれば良いのでしょうか。結論として、弊社では東南アジア・南西アジアが重要なターゲットエリアと考えています。

 

【日本の外国人在留者数は東アジアが45%を占める】

※東アジア:中国・韓国・台湾
※東南アジア:インドネシア・フィリピン・ベトナム・タイ・ミャンマー・マレーシア・カンボジア・ラオス・シンガポール・ブルネイ
※南西アジア:インド・パキスタン・スリランカ・ネパール・バングラデシュ・ブータン

 

現在、日本には2,933,137人(2019年12月現在)の外国人が生活をしています。

 

第1回でも触れたように、日本の外国人労働者数の増加率は、世界で最も大きくなっています(詳しくは第1回のコラムをご覧ください)。日本で生活する外国人は年々増加しているのです。

 

では日本に住む外国人のうち、どこの国からの出身者が多いのでしょうか?

 

東アジア・東南アジア・南西アジアの3つのエリア別に在留外国人数を見ていくと、東アジア出身の在留外国人が、全体の45%と最も多くを占めています。東南アジアは30%、南西アジアは7%という割合です。

 

<グラフ1:エリア別在留外国人数(2019年12月時点)>

出典:法務省「在留外国人統計」(2019年12月末)

 

 

更に国別に見てみると、中国の方が約81万人、韓国の方が約44万人、ベトナムの方が約41万人と3ヵ国で全体の57%を占めています。

 

<グラフ2:上位3ヵ国 外国人在留者数(2019年12月時点)>

以上の数値のみを見ると、外国人材のターゲットエリアとしては、もっとも母集団の大きい東アジアが適切なように見えます。しかし弊社は、東アジアよりも東南アジア・南西アジアをターゲットとする方が良いと考えています。

なぜでしょうか。在留外国人の数を、時間軸を広げて見ると、面白い事が分かってきます。

 

 

【東アジアから東南・南西アジアへのシフトが起きている】

 

グラフ3をご覧ください。2010年から、2019年にかけて、東アジア・東南アジア・南西アジアのエリア別の在留外国人数を比べています。東アジアの在留外国人数は1.05倍とあまり変化がありません。しかし、東南アジアは2.57倍、南西アジアは2.86倍と在留外国人数が大きく増加しています。つまり、日本に移動する外国人の国籍が、東アジア中心から、東南アジア・南西アジアに移って来ている事を意味します。

 

<グラフ3:エリア別在留外国人数推移(2010~2019年)>

出典:法務省「在留外国人統計」

 

この傾向は今後も続き、東南アジア・南西アジアの外国人数は増加すると見込まれます。

なぜ、このような事が言えるのでしょうか。やはり根拠になってくるのは、経済的メリットです。

 

【南・西へのシフトの要因は経済的メリット】

 

グラフ4をご覧ください。日本の1人当たりGDPと東アジア・東南アジア・南西アジアの3つのエリアの1人当たりGDPを平均したものを比較しています。

このGDPの変化が、日本へ来る外国人の移動にシフトをもたらしています。

 

世界の送り出し国から受け入れ国への移民数TOP15の、2国間の平均給与ギャップを見ていくと、(例:TOP1はメキシコ→アメリカの約1,270万人)約8倍の給与ギャップがあります。(詳しくは「なぜ外国人材は日本に来るのか?- 経済的メリットの大切さを考えよう」をご覧ください

東アジアと日本の1人当たりGDPの差は、2010年には約2.9倍ありましたが、2018年には、約1.7倍まで縮まっています。一方で、東南アジアは約6.8倍から約5.5倍、南西アジアは約31倍から17倍と縮まってはいるものの、まだまだ大きな差があります。つまり東南アジア、南西アジアの人々から見ると日本に移民として移動する経済的メリットがまだ十分あると考えられるのです。

 

<グラフ4:1人当たりGDP推移(2010~2018年)>

※シンガポールを除く。

 

今後も東アジアと日本の1人当たりGDPの差は縮まっていく事が予想されるため、東南アジア・南西アジアからの移民が増加する事が予想されると考えられます

 

 

【狙いは東南・南西アジア】

 

以上のように、各国の経済状況の変化により、日本へ移住する外国人に変化が起きています。

給与ギャップがあるという事は、例えば、中国とインドで同じ水準の技術を持ったエンジニアがいたとしても、給与水準は大きく違うのです。先述の日本に在留している外国人材に関するデータからわかる通り、給与水準のより低い国からやってくる人材が増加しています。一方、中国のように、先進国に近づきつつある国々(東アジア諸国)からの人材の数は、10年前とほぼ同じ程度です。

経済的ギャップは、人の移動を引き起こす重要な要因なのです。

 

以上の事から、弊社では効率的な外国人材採用のためには、日本に来る経済的メリットが薄れつつある東アジアから、長期的に見ても比較的大きな経済的インセンティブが期待できる東南アジア・南西アジアの人材へ、ターゲットをシフトするべきではないかと考えています。

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